外国人社員の「扶養」「配偶者控除」「仕送り(海外送金)」の整理

扶養・配偶者控除と海外送金を年末調整で整理するアイキャッチ画像

外国人社員を雇用すると、入社後に必ずといっていいほど出てくるのが「扶養」「配偶者控除」「仕送り(海外送金)」の話です。
一方で、ネットのQ&Aや知恵袋的な情報は“前提条件が抜けたまま”語られていることも多く、会社側も本人側も混乱しがちです。

そこでこの記事では、年末調整の現場で止まらないように、判断の順番必要書類を中心にまとめます。


こんなことで悩んでいませんか

  • 海外にいる家族を扶養に入れたいが、何が必要なのか分からない
  • 仕送り(送金)をしているが、年末調整でどう扱うのか不安
  • 配偶者控除・扶養控除の違いを説明できない
  • 「〇万円の壁」が多すぎて、どれの話か分からない
  • 留学生アルバイトの年末調整で、毎年バタつく

税の扶養と、社会保険の扶養は別物

ここを混ぜると、数字が増えて一気に迷子になります。

  • 税金(所得税)の話:年末調整で扱う「扶養控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」など
  • 社会保険の話:いわゆる「106万円」「130万円」など、加入条件や手取りの変化に関わる話

「年収の壁」には税と社保が両方含まれます。社保側の整理は厚労省のページが分かりやすいです。 (厚生労働省)


年末調整で扱う基本:扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除

年末調整は、1年分の所得税を会社が精算する手続きです。
扶養や配偶者に関する控除は、ここで反映されます(ただし、本人の状況・書類提出が前提です)。年末調整の入口として、国税庁の「給与所得者(従業員)の方へ」も参考になります。 (国税庁)

また、最近は税制改正でルールや基準が動いています。国税庁は「令和7年度税制改正による基礎控除等の見直し」を特設で整理しているので、毎年の更新確認が安全です。 (国税庁)


海外にいる親族を扶養に入れる場合:必要書類が増える

外国人社員に多いのが「海外にいる親族(国外居住親族)を扶養に入れたい」という相談です。
この場合、年末調整で扶養控除等の適用を受けるには、原則として次の2つが柱になります。

  • 親族関係書類(親族であることを示す)
  • 送金関係書類(生活費・教育費のための送金実態を示す)

国税庁は、国外居住親族に係る扶養控除等について、手続ページとQ&Aを用意しています。 (国税庁)
さらに、年齢区分(30歳以上70歳未満など)によって必要書類や例外要件が変わる点も、国税庁の案内PDFで整理されています(留学ビザ等書類や「38万円送金書類」などの扱いを含む)。 (国税庁)

年末に詰まる原因は「本人が送金している」ことではなく、会社に提出・提示できる形に整っていないことです。送金関係書類の明細書など、実務上の提出方法も用意されています。 (国税庁)


送金(仕送り)を年末調整に反映する流れ:会社側の案内が重要

「外国人 送金 年末調整」「外国人 年末調整 仕送り」という相談は、本人が悪気なく遅れがちです。
だからこそ、会社側は“いつ・何を・どの形式で”出してもらうかを先に決めてしまうのが効果的です。

おすすめはこの流れです。

  1. 入社時または年末前に、扶養の対象が「国内」か「国外」かを確認する
  2. 国外居住親族がいる場合は、必要書類(親族関係書類/送金関係書類/該当者は追加書類)を早めに案内する (国税庁)
  3. 年末調整に間に合わない場合、本人側で確定申告が必要になる可能性も含め、早めに説明する(判断に迷う場合は税理士へ)

「年収の壁」整理:数字が一人歩きしやすい領域

壁の話は、社内でも本人同士でも“噂”として広がりやすいです。
ここで大事なのは、どの壁の話かを分けることです。

  • 税(所得税)の壁:基礎控除・給与所得控除、扶養親族等の所得要件など(税制改正の影響を受けます) (国税庁)
  • 配偶者に関する壁:配偶者特別控除の満額ラインなど(政府が分かりやすく整理しています) (首相官邸ホームページ)
  • 社保の壁:106万円・130万円など(厚労省の整理が確実です) (厚生労働省)

そして「72万円」のような数字は、条件(収入なのか所得なのか、税の話なのか社保の話なのか)が混ざったまま伝わることが多いです。
会社としては、まず「税の話」「社保の話」を分けたうえで、必要なら個別に当てはめるのが安全です。


留学生アルバイトの年末調整:詰まりやすいポイント

留学生の場合も、年末調整そのものは“外国人だから特別”というより、書類と前提条件で決まります。
現場で詰まりやすいのは次の3つです。

  • 申告書の提出が遅れて、源泉の扱いがズレる
  • 扶養・送金の話が年末に出てきて、書類が間に合わない (国税庁)
  • 「壁」の数字だけを信じて働き方を決め、あとから修正が必要になる(税と社保の混同) (厚生労働省)

外部参照リンクまとめ(公式)

(国税庁)国外居住親族に係る扶養控除等(手続・Q&A)

(国税庁PDF)非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ(必要書類の整理)

(国税庁)国外居住親族に対する送金関係書類の明細書(提出の実務)

(国税庁)令和7年度税制改正による基礎控除等の見直し(最新ルールの確認)

(首相官邸)「年収の壁」対策(配偶者特別控除などの整理)

(厚生労働省)「年収の壁」への対応(106万・130万など社保側)

最後に

御社では、扶養・配偶者控除・仕送り(送金)の相談が出たときに、
「税の壁」なのか「社保の壁」なのかを分けて案内できていますか?
そして、国外居住親族が関わる場合に、親族関係書類と送金関係書類を前倒しで回収できていますか? (国税庁)


注意書き

本記事は一般的な情報提供を目的としています。扶養控除等の適用可否や必要書類は、親族の居住地・年齢区分・送金状況・税制改正などで変わります。判断が分かれそうな場合は、税理士・税務署等での確認をおすすめします。

【アクシス公式X】お役立ち情報満載!