外国人社員の年末調整(入国後の実務の要点)

外国人を採用した後、「入管・在留カードまでは情報が多いのに、入社後の実務が分かりにくい」と感じやすいのが年末調整です。
ただ、ポイントは整理できます。大切なのは 対象者の見極め(居住者/非居住者) と 書類の段取り です。 (国税庁)
こんなことで悩んでいませんか
- 外国人社員にも年末調整は必要ですか
- 何の書類を、いつ回収すればいいですか
- 留学生アルバイトは年末調整の対象になりますか
- 年の途中で入社/退職/出国した場合、どう対応しますか
- 「去年と同じ」で進めていいのか不安です(改正が多い)
年末調整とは何か
年末調整は、会社が従業員の 1年分の給与にかかる所得税 を、年末に精算する手続きです。
源泉徴収で毎月ざっくり引いている税額を、控除(保険料控除・扶養・配偶者など)を反映して「年税額」に合わせます。(国税庁)
最初の分岐:年末調整の対象になる人/ならない人
ここが一番大事です。
- 原則として 居住者 は、要件を満たせば年末調整の対象になります
- 一方で 非居住者は年末調整の対象外 です(給与は原則一律20.42%で源泉徴収し、そこで課税関係が完結する扱いが基本)(国税庁)
「5年ルール(非永住者)」は居住者の中の区分なので、まずは 居住者/非居住者 を固めるのが順番です。(国税庁)
会社側の段取り(入社〜年末までの流れ)
年末調整で崩れる原因は、知識不足より「回収が遅れること」です。おすすめはこの流れです。(国税庁)
1. 入社時:まず「扶養控除等(異動)申告書」
従業員が提出するこの申告書を前提に、毎月の源泉徴収(甲欄など)が進みます。まずここがスタートです。(国税庁)
2. 年末前:控除関係の申告書を揃える
年末調整では、基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除など、複数の申告書の提出が必要になることがあります(年によって様式や留意点が更新されます)。(国税庁)
3. 年末:過不足を精算して、源泉徴収票を交付
最終給与(または賞与)で過不足税額を精算し、源泉徴収票を交付します。手順全体は国税庁の「年末調整のしかた」が最も確実です。(国税庁)
外国人雇用で詰まりやすい実務ポイント
書類の“不足”ではなく“前提のズレ”
「本人は出したつもり」「会社は足りているつもり」でも、様式が古い、対象外なのに年末調整に入れている、などのズレが起きがちです。年ごとの留意事項を先に押さえると事故が減ります。(国税庁)
留学生アルバイトの年末調整
留学生でも、要件を満たして勤務し、必要な申告書を提出していれば年末調整の対象になり得ます。逆に、提出がない/乙欄扱い等だと、本人側で確定申告が必要になるケースも出ます。会社としては「申告書の提出状況」と「源泉徴収の扱い」を早めに揃えるのが現実的です。(国税庁)
年の途中で出国・海外転勤する場合
年の中途で非居住者になる人は、出国前後で源泉徴収の考え方が変わります。ケースによっては「非居住者となる際の年末調整(精算)」が論点になります。該当しそうな場合は、早めに公式整理に沿って対応するのが安全です。(国税庁)
最小チェックリスト
- 居住者/非居住者の区分を確認(非居住者は年末調整の対象外)(国税庁)
- 入社時点で「扶養控除等(異動)申告書」を回収 (国税庁)
- 年末前に、必要な申告書の最新版を案内・回収(年ごとに改正あり)(国税庁)
- 出国・海外転勤・帰国がある人は、別ルールの確認を前倒し (国税庁)
外部参照リンクまとめ
(国税庁)年末調整のしかた(手順・資料一式)
(国税庁)令和7年分 年末調整のしかた(パンフレット)
(国税庁)各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)
(国税庁)海外に転勤する人の年末調整(No.2517)
(国税庁)海外出向者が帰国したときの年末調整(No.2518)
最後に
御社では、年末に慌てないように、入社時点で「申告書の回収」と「居住者/非居住者の区分」 まで運用できていますか?ここが固まるだけで、年末調整は驚くほどスムーズになります。(国税庁)

