ルイ・ヴィトンに学ぶ──希少性とブランドの創出で“選ばれる企業”になるには
価格で勝負していませんか? その発想が、選ばれない理由かもしれません。
自社の商品やサービスが、他社と似てしまう。
値引きやキャンペーンで差をつけようとしても、結局価格勝負に巻き込まれてしまう──。
このような悩みを抱える企業は、実は非常に多く存在しています。
特に中小企業やBtoBビジネスでは、「技術や品質に自信があるのに、なぜ選ばれないのか?」という問いが常に付きまといます。
この課題を突破するヒントは、“ブランドの設計力”にあります。
今回は、世界的ブランドである、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の戦略を手がかりに、中小企業でも実践できる「選ばれる仕組み」のつくり方をご紹介します。
ルイ・ヴィトンが売っているのは、「商品」ではなく「象徴」
ルイ・ヴィトンのバッグは、ただの収納用バッグではありません。
顧客がその商品に対して支払っているのは、「価値の構造」です。
- 手に入れることが難しい希少性
- 持っていること自体が“自分の価値”を示す象徴性
- 製品の背景にあるストーリーと一貫した世界観
つまり、選ばれているのは価格や機能面ではなく、意味・象徴(シンボル)なのです。
希少性は「数量」ではなく「文脈」で生まれる
希少性とは、単に商品の流通数を絞ることではありません。
ルイ・ヴィトンは以下のような「文脈設計(ストーリー設計)」によって、“特別感”を与えています。
- 商品を大量陳列せず、「並べて売らない」
- 値引きは一切行わず、「価格を守る」
- 歴史、工芸、職人技など、製品の背景を語ることに注力する
このように、“商品を通じたストーリー”そのものが、価値を高める仕掛けとなっています。
ブランド創出の方程式
ルイ・ヴィトンのような世界的なブランドでなくとも、以下の3つの原則を押さえることで、十分に差別化は可能です。
1. 「誰にとって、なぜ特別か?」を明確にする
同じ部品でも、「これは医療現場で0.2秒短縮するために設計された」と言えれば、それは選ばれる理由になります。
2. 「誰にでも売らない」ことで、価値を高める
共感する企業にのみ提供し、“選ぶ側”から“選ばれる側”へと転換する姿勢が、ブランドを守ります。
製品の“使い方講座”や“導入研修”まで含めた提案も、有効です。
3. “言語化”と“体験化”でストーリーを届ける
創業者の思想、開発の過程、顧客との対話──
それらを動画・記事・自社メディアとして発信することで、顧客の記憶に残る存在になります。
ブランドとは、一言で「一貫した世界観」です。
ブランドの強さは、製品だけでなく、店員の応対、店舗デザイン、SNS投稿に至るまで、あらゆる接点で一貫性があることに表れます。
これは中小企業でも同様です。
- 社内資料や営業メールにも「自社らしさ」はありますか?
- 「選ばれたい相手」に対して、一貫した価値観で発信できていますか?
ブランドとは、言葉と行動の一致が積み重なった“信頼の集合体”なのです。
これからの時代は、「価格」ではなく「意味」で選ばれます
高品質かつ安価な製品が溢れている今、
企業が競うべきはスペックではなく、“意味”と“背景”です。
ルイ・ヴィトンの戦略から学ぶべきは、値付けや販促といった表面的なものではありません。
学ぶべきは、「自社を語る力」と、「選ばれる理由を設計する力」なのです。
「ストーリー × 構造」で自社ブランドを再定義
アクシスソリューションでは、特に価格比較されやすい業界の企業様に対し、以下のような支援を行っております。
- ブランドストーリーの言語化支援
- メディア・資料・社内発信の一貫性構築
- 「売り込み型」から「選ばれる状態」への転換戦略設計
「価格では勝てない」と感じたその時が、“意味”で勝つチャンスです。
その第一歩は、「自分たちの物語を、自分の言葉で語れるかどうか」。
貴社が持つ本質的な価値を、私たちと一緒に再発見してみませんか?お気軽にお問い合わせください。